北広島にこやか遺言相続相談室

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Q4-6 遺言書に「長男に不動産を相続させる」とあったが、長男は遺言者より先に亡くなっています。この場合、長男の子である孫が代襲相続するのですか?

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■相続すべき人が遺言者より先に亡くなった場合は、その部分につき無効
故人より先に長男が亡くなっている場合、通常であれば代襲相続により長男の子ども(故人から見ると孫)が代襲相続(だいしゅうそうぞく)します。
しかしこのように遺言書に書かれている場合では、代襲相続しません(最判平成23年2月22日)。
なぜでしょう?
当相談室なりに判例を噛み砕いて説明するとこういうことです。
遺言書とは、故人の最終意思を尊重するために書かれるものですが、この遺言書からは「長男に不動産を相続させたい」という意思しか読み取れません。
長男には不動産を譲りたいけど、孫には譲りたくない、ということは理屈の上ではあり得ますから、この場合、遺言書のこの部分につき無効となり、不動産は遺言のない相続同様、法定相続分によるか、協議により遺産分割することとなるのです。
ただし「長男に不動産を相続させる。私より長男が先に死亡した場合は、孫に相続させる」と明記されていれば、話は別です(上記判例)。

■全ての相続人の合意があれば孫が相続することも可能
ここで誤解していただきたくないのは、上記の判例はあくまでも「遺言によって当然に孫が不動産を代襲相続するわけではない」という意味だということです。
長男が故人より先に亡くなれば、孫は代襲相続人にはなりますから、他の相続人全員が合意すれば孫が相続することは可能です。
この場合、遺言書ではなく、遺産分割協議を作って相続登記をすることになります。

費用の目安(税別)
相続登記
報酬      3万5000円~(不動産2個の場合)
遺産分割協議書 1万0000円~
相続関係説明図 1万0000円~
登録免許税 固定資産評価額の0.4%

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