Q2-2 不動産の相続登記(名義変更)はいつまでしなければいけないの?またどうやって登記するの?
■法定期限は3年ですが、3か月以内のご相談をおすすめします
相続登記は、亡くなった方に不動産があることを知った時から3年以内にしなければなりません(詳しくはこちら)。
当然、その前提として、遺産分割協議※も行うことが一般的です。
しかし以下の理由から、いつまでも分割協議や登記をせずに放置しておくことは全くおすすめしません。
目安として、亡くなってから3か月以内に、専門家に相談を済ませ、相続手続の見通しを立てることが望ましいと考えます。
1.準確定申告は、被相続人の死亡から4カ月以内、相続税の申告は、被相続人の死亡から10か月以内であるため。
特に相続税における、小規模宅地の特例などの減税措置を適用するには、遺産分割協議が終わっていることが前提となるため
2.時間の経過とともに、相続人の気持ちが変わることがあるため
「遺産は譲るよ」と言っていた人が、「やはり譲らない」と言い出す、など。
3.遺産分割協議未了のうちに、相続人が死亡し、二次的、三次的な相続(数次相続といいます)が発生することで、協議に加わるべき人の頭数が増えたり、場合によっては血の繋がらない人が加わる恐れもあり、協議がやりづらくなるため
例:被相続人Aが死亡し、相続人が長男B、長女Cであるところ、遺産分割協議未了のままBが死亡し、Bの妻D、Bの子(Aの孫)EがBを相続
→この場合、数次相続が発生しているので、C、D、Eで分割協議することになる。
Cにとっては兄嫁、Dにとっては義妹という血の繋がらない者同士の話し合いとなる
4.相続人の中で認知症が進んだ人がいる場合、遺産分割協議そのものができなくなり、成年後見の申立が必要になる場合があるため。
第三者が後見人に就く場合もあり、この場合、月2万円~×亡くなるまでの期間+αの後見人報酬が発生する上、成年被後見人本人には法定相続分以上の遺産を分ける必要が出てきます。
5.相続人の中に破産申立、生活保護申請をする方が出た場合、その本人には法定相続分以上の遺産を分ける必要が出る場合があります。
6.不動産を売却したり、担保として提供(抵当権設定など)するには、一般的に相続登記がされていることが前提となるため
※遺産分割協議前の法定相続分による相続登記をし、遺産分割協議後にそれに沿った更正登記をすることは手続上は可能ですが、二度手間であるため、通常は行わない。
■相続登記に必要な書類を集めるのは大変
相続登記に必要な書類は、一般的に以下の通りです。
(ただし場合によっては他の書類が必要になる場合があります)
1.被相続人の出生※から死亡までの戸籍謄本
2.被相続人の住民票除票又は戸籍の附票
3.相続人全員の戸籍謄(抄)本
4.相続人全員の印鑑証明書
5.遺産分割協議書
相続登記の申請書にこれらの添付書類をつけて法務局に提出すれば相続登記がされます。
ところがこれらの書類(特に1)を集めるには、ある程度戸籍の読み方の知識が必要で、一般の方だと苦労したり、時間がかかったりして、あっと言う間に10か月を経過したり、忙しくなって途中でやめてしまうおそれがあります。
また不動産登記の申請書は予め用意された申請書に書き込む形式ではないため、これまた一定の知識が必要です。
※15歳前後からでも登記は可能だが、預金口座の解約の際、金融機関から出生からの戸籍を求められることが多いので、二度手間を避けるため出生までさかのぼるのが無難。
■面倒な戸籍集めや相続登記は司法書士へ
当にこやか遺言相続相談室では、司法書士によって相続登記に必要な書類の収集・作成を行い、登記申請代理することができます。
戸籍の収集にかかる期間は、概ね2週間~1か月※です。
面倒な手続きはプロに任せて、早めに終わらせることをおすすめします。
※ ただし数次相続や代襲相続、相続人の数が多数になると、これ以上の日数をいただく場合もありますので、あらかじめご了承ください
費用の目安(税抜)
相続登記報酬 3万5000円~※
相続関係説明図作成 1万0000円~
遺産分割協議書作成 1万0000円~
戸籍等収集費用 1通2000円+実費300~750円
登録免許税 固定資産評価額の0.4%
※不動産の個数2個の場合
札幌市内及びその近郊で、不動産2つ(土地建物)、固定資産額が1000万円以内であれば、報酬・実費合わせて8万~13万円ほどを目安にお考えください。
その他、諸条件により異なりますので、詳細は見積のお問い合わせをお願いします。