2.誰が相続人になるのか・法定相続分は?
■相続人と法定相続分(基本編)
1.まず子どもの有無がポイント(第1順位)
相続人が誰かを決める第1のポイントは子どもの有無です。
子どもがいれば、法定相続分は配偶者(夫又は妻)と子どもそれぞれ2分の1となります。
子どもが複数の場合は、2分の1をさらに人数で等分します。
例えば子ども2人の場合は4分の1ずつ、3人の場合は6分の1ずつとなります。
2.子どもがいなければ両親、祖父母等(第2順位)
次に子どもがいなければ、両親、祖父母などの直系尊属が相続人となります。
法定相続分は、配偶者3分の2、直系尊属3分の1となります。
3.子どももなく、両親、祖父母等も先に亡くなっていれば兄弟姉妹(第3順位)
最後に子どももなく、両親、祖父母等も先に亡くなっていれば兄弟姉妹が相続人となります。
法定相続分は、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1となります。
兄弟姉妹が複数の場合は、4分の1をさらに人数で等分します。
例えば兄弟姉妹2人の場合は8分の1ずつ、3人の場合は12分の1ずつとなります。
以上が相続人と法定相続人の基本編となります。
次に応用編です。
■相続人と法定相続分(応用編)
1.被相続人より先に相続人が亡くなっていたら…(代襲相続)
(1)基本編のうち、子どもが相続人となるケースについて、被相続人よりも先に子どもが亡くなっていて、かつ、その子ども(つまり被相続人からすると孫)がいる場合は、孫が相続人に、孫も先に亡くなっていれば、ひ孫が相続人となります。
これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)と言います。
(2)基本編のうち、兄弟姉妹が相続人となるケースについて、被相続人よりも先に兄弟姉妹が亡くなっていて、かつ、その子ども(つまり被相続人からすると甥・姪)がいる場合は、甥姪が相続人となります。
甥姪も先に亡くなっている場合には、代襲相続は発生しません。
※直系尊属が相続人となるケースでは、代襲相続は発生しません。
2.被相続人より後に相続人が亡くなったら…(数次相続)
例えば被相続人Aの死亡後、遺産分割の前に、Aの相続人Bが亡くなってしまったらどうなるのでしょうか?
この場合、その相続人Bの相続人が、「基本編」の考え方に従って、Bの法定相続分を相続します。
3.相続人が相続放棄をしたら…
相続放棄とは、「相続人の地位そのものを放棄すること」です。
相続人が相続放棄をしたら、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされなす(民法第939条)。
初めから「生まれていない人」とみなす、と言い換えた方がわかりやすいかも知れません。
初めから生まれていないので、上記1,2のような代襲相続、数次相続も発生しません。
さらに場合によっては、相続順位が変わることもあり得ます。
例えば第1順位相続人である子どもが全員相続放棄をしたとすると、第2順位である直系尊属が相続人となります。
なお、相続放棄=遺産をもらわないこと、ではありません。
あくまでも「相続人の地位そのものを放棄すること」です。
この点を勘違いされている方が非常に多いので、下記のQ&Aもご参照の上、十分にご注意ください。
Q3-1 私は遺産をもらうつもりがありません。相続放棄すべきですか?