Q3-3 父が生前、借金をしていることが督促状によって発覚しました。3か月以上経過しているので相続放棄できないのですか?
■相続放棄は原則、3か月以内
相続放棄ができるのは、「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内※」(民法第915条1項)とされており、これを過ぎると相続を承認したものとみなされてしまい(民法第921条1項2号)、権利だけでなく、債務などの義務も承継しなければなりません。
ではこれを過ぎてしまったら、絶対に相続放棄はできないのでしょうか?
※この3か月を「熟慮期間」と呼びます。
■事情があれば3か月経過後でも相続放棄できる場合がある
例えば相続人が被相続人に債務があったことを知らないことにつき、相当の理由があれば、債務を知った日から3か月以内であれば相続放棄ができます(最判昭和59年4月27日)。
ただし家庭裁判所に相続放棄を申述する際は、これらの理由について、詳しく書かなければなりません。
■もう1つの方法は消滅時効援用
相続放棄は相続人そのものをやめてしまうことですので、不動産や預貯金などのプラスの遺産を引き継ぎながら、借金というマイナスの遺産を引き継がないということはできません。
しかし督促状によって発覚した債務に消滅時効が成立してるなら、時効を援用すれば消滅します。
時効が成立しているかどうかの主な判断基準は、以下の通りです。
1.最後の借入又は返済から5年以上経っている※
2.その間、債務承認書を書いたり、分割支払いの和解に応じたり、裁判を起こされたりしていない
※個人的な貸し借りの場合は10年です。
ただし時効を援用する前には、信用情報機関で他に債務がないか確認することをお勧めします。
他の債務が時効を迎えていないのであれば、金額によっては相続放棄してしまった方が早いからです。
なお熟慮期間経過後の相続放棄手続や、消滅時効の成否は、大きな債務を背負うかどうかの重大な判断ですので、専門家への相談が不可欠です。
当「北広島にこやか遺産相続相談室」では、このような案件にも相談・対応させていただいています。