北広島にこやか遺言相続相談室

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Q3-4 未成年の子の母で親権者である私は、子を代理して相続放棄できますか?

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■原則として、特別代理人の選任が必要
夫Aが亡くなり、未成年の子Bの相続放棄を親権者である母Cが代理して行うことは、原則としてできません。
なぜなら子が相続放棄することにより、親権者Cの相続する財産が増える場合もあるため、子Bと親Cの利害が対立するからです。
これを利益相反(りえきそうはん)行為と言い、家庭裁判所に申し立て、特別代理人の選任をしてもらう必要があります。
特別代理人と言っても、親戚(伯父、伯母、祖父、祖母等)にお願いして、候補者になってもらい、特に問題がなければその候補者が特別代理人となることがほとんどです。
なお、この利益相反行為は、形式的に判断されます。
「子Cが相続放棄することで、夫Aの借金を私Cが背負うことになる。だから利益相反行為ではない」という個別の事情や内心の動機は、一切考慮されません。
また未成年の子が複数いて、それぞれが相続放棄する場合は、それぞれについて特別代理人を選任する必要があります。

■特別代理人が不要なケースもある
しかし次のような場合においては、子Bと母Cの利益相反はないと考えられ、特別代理人は不要です。

1.母Cが既に離婚しており、Cの親権を得ている場合
この場合、母Cは夫Aの相続人ではありませんから、利益相反に当たりません

2.母Cが子Cより先に、又は、同時に相続放棄する場合
この場合も母Cは夫Aの相続人ではなくなるので、利益相反に当たりません

■相続放棄する場合の注意点
他の項でも述べましたが、そもそも相続放棄は亡くなった方に借金がある場合以外しないのが一般的です。
例えば「子Bはまだ未成年だから、夫Aの不動産や預金は私が管理する方がいいだろう」という事情で母Cが全ての遺産を相続しようと思う場合、やるべきことは相続放棄ではなく遺産分割です。

参考ページ
Q2-4 相続人の中に未成年がいます。親権者が代わりに遺産分割していいですか?

相続放棄は、一般の方が誤解している法律用語第1位であり、相続放棄=遺産をもらわないことではないのです。
この事例でBを相続放棄させてしまうと、とんでもないことが起こってしまうおそれもあります(下記ページ参照)。

参考ページ
Q3-1 私は遺産をもらうつもりがありません。相続放棄すべきですか?

くれぐれも相続放棄は、その意味と効果をよく理解した上で行ってください。
当「北広島にこやか遺言相続相談室」では、お話をよくお聞きの上、適切な手続を案内するようにしています。

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