Q3-5 父が多額の借金を抱えています。亡くなる前に相続放棄はできますか?
■生前の相続放棄はできない。が…
残念ながら、その質問に対する答えは、「NO」です。
相続放棄は、相続が開始して(≒父が亡くなって)初めてできることです(東京高決昭和54年1月24日)。
「生前の相続放棄は?」と聞かれたら、「できない」としか答えようがありません。
ですがお気持ちはわかります。
要は「父の債務を引き継ぎたくない」「その不安から早く解放されたい」ということですよね?
それに対しての方法ならいくつかあります。
方法1 父の死後、すぐに相続放棄ができるよう準備だけしておく
相続放棄の申述自体はできませんが、そのための申述書や印紙の用意なら可能です。
父の死後、戸籍類さえ揃えばすぐに出せるよう準備しておきましょう。
方法2 債務に消滅時効が完成しているなら、父に援用してもらう
最後の借り入れや返済から5年以上経っており、その間に訴訟で勝訴判決を取られたりしていなければ、その債務は消滅時効となっています。
しかし債務は時効が完成したからと言って、自動的に消えるわけではありません。
債権者に援用の通知を送り、それが届いて初めて消えるのです。
方法3 父を説得して、債務整理してもらう
債務の消滅時効が完成していないのであれば、できるうちに債務整理してもらうよう説得しましょう。
債務整理には、任意整理や個人再生、自己破産という方法があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
また古くからの消費者金融での借り入れは、利息制限法による引き直し計算で、過払い金が発生している可能性もあります。
どのような手続が適しているのかは、専門家のアドバイスが必要ですので、まずは相談ということになります。
当札幌にこやか遺言相続相談室には、簡裁訴訟代理等関係業務の認定を持ち、個人再生や自己破産の申立書類の作成経験もある司法書士が在籍しているため、上記の方法のいずれについても対応が可能です。
一人で悩んだり不安がらずに、まずはご相談ください。
費用の目安(税別)
1.相続放棄書類作成
上申書作成を伴わないもの 報酬 約1万5000円~
上申書作成を伴うもの 法主 約2万0000円~
同じ相続につき、相続人2人目以降は約5000円~(相続人全員で放棄する場合は、一度にご依頼いただいた方がお得です)
その他、収入印紙、切手が数千円分。
戸籍等収集 1通1500円~2000円(税別)+実費(450~750円)
2.消滅時効の援用
報酬(当職が代理人となる場合) 2万0000円~
※請求された金額が140万円まで対応可
報酬(書類作成のみ) 1万0000円~
内容証明郵便料 約1500円~
3.債務整理
i)任意整理報酬 1件2万0000円
ii)過払い金返還 1件2万0000円+成功報酬15%~20%
iii)個人再生申立書類作成 30万円~+実費(収入印紙・切手・予納金)
iv)自己破産申立書類作成 20万円~+実費(収入印紙・切手・予納金)
債務整理案件については、分割払いの他、収入等一定の要件を満たせば法テラスの利用が可能です。