Q 遺言は高齢者がするものですよね?
遺言は高齢者だけのものではありません
一般に遺言と言うと、高齢者がするもの、というイメージがあるようです。
ですが、ズバリこれは偏見です。
私から言わせると、「遺言への三大偏見」の1つです。
(ちなみにあと2つの偏見は「遺言は相続で揉めそうな家族がするもの」「遺言はお金持ちだけがするもの」です)
なぜ人々が、このようなイメージを持ってしまうか、考えてみましょう。
理由1 単純に年齢的に死が近いから
1つには「高齢者の方が年齢的に死が近い」ことが考えられます。
でも考えてみてください。
若い人だって、ある時、不慮の事故で亡くなることはありえるでしょう。
だから家族のいる人は死亡保険に入りますよね?
死亡保険には入るのに、遺言はまだ早い、って矛盾していませんか?
どちらもお金に関することですよ。
理由2 若いとまだ家族構成や遺産の総額・構成が固まっていないから
2つ目は、「若いと家族構成や遺産の総額・構成が流動的」ということが流動的、ということが挙げられます。
未婚の人であれば、これから結婚するかしないか、まだわからない
結婚しても子どもが生まれるか生まれないか、まだわからない。
結婚した人でも、将来離婚もするかも知れないし、しないかも知れない。
財産額やその構成もそうですね。
貯金が増えるかもしれないし、減るかも知れない。
マイホームを買うかも知れないし、買わないかもしれない。
このように、若いうちはこれから先のことが流動的ですよね。
だから遺言するのはまだ早い、と考えてしまいがちです。
でも、これも遺言をしない理由にはなりません。
なぜなら遺言は、生きている間は、何度でも書き換えても良いからです。
状況が変わったら、それに合わせて前の遺言を破棄し、新しい遺言を書けばいいだけのことなんです。
■自筆証証書遺言ならお金はかからない
そうは言っても、公正証書遺言は、1通数万円~十数万円かかるので、これを何度も書き直すのは私もためらいます。
ですが、自筆証書遺言は紙とペンがあればできるんです。
法務局での自筆証書遺言保管制度を利用しても、1回3900円。
なぜそれほどお金もかからないのに、遺言を書かないんですか?
逆にお尋ねしたいのです。
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