Q 自筆証書遺言を法務局に保管するメリットは何ですか?
1.紛失・改ざんのおそれがない
自宅に保管すると、紛失や、相続人が自分に有利に改ざんする等のおそれが生じます。
金庫に保管するにしても、自分が亡くなった時に備えて家族に番号を教えなければ、改ざんの問題はなくなりません。
かと言って教えずに亡くなれば、相続人全員の同意のもとで金庫の業者に開けてもらわねばならず、手続の簡素化という遺言のメリットがなくなってしまいます。
ですが法務局に保管すれば、この問題はクリアできます。
2.費用が安価
銀行の貸金庫との比較はどうでしょう?
これだと生前、家族は開けられませんが、亡くなった後、相続人全員の同意が必要というデメリットはかわりません。
しかも保管料も安いタイプで月7000円前後と、それなりにお高いです。
この点、法務局での保管なら、3900円を保管時のみ納付(毎月ではありません)で済みます。
3.遺言者が亡くなった時の通知制度
最後にこれは公正証書遺言にもない、この制度独自のメリットです。
それは、遺言者が亡くなった時、相続人や遺言執行者に法務局から通知が届く、というものです。
(市役所に提出された死亡届が、法務局に通知され、遺言があれば指定した相続人や遺言執行者に通知される)
これは特に、いわゆる「おひとり様」など、相続人や遺言執行者との交流がそこまで密でない方には有益な制度ではないでしょうか?
■制度を知った上でうまく活用
このようにさまざまなメリットがある自筆証書遺言制度。
ですが、これを活用することが最適解かと言われれば、必ずしもそうではない場合もあります。
「そもそも公正証書遺言と自筆証書遺言のどちらが良いのか?」
「どのような遺言内容にしたら良いのか?」
「保管制度を利用する上での注意点は?」
など、詳しく知った上で活用が望まれます。
まず司法書士にご相談ください。