Q1-5 私が亡くなった後、夫婦同然の生活をしている同性のパートナーは相続できますか?
■残念ながら法律婚でないと相続はできない
2015年11月、渋谷区で「同性パートナーシップ条例」が始まり、法的な拘束力はないものの、区から関係各所に夫婦同様の扱いを求める証明書が発行されるなど、日本でもセクシャル・マイノリティ、LGBTに対する権利擁護の機運が高まりつつあります。
しかし残念ながら相続の分野においては、男女の法律婚による配偶者にしか相続権はありません。
(男女であっても婚姻届を出していない内縁の夫・妻には相続権はありません)
したがって、たとえどんなに愛し合い、夫婦同然の生活をしている同性のパートナー同士であっても、法律婚でない以上は、相続権が発生しないことになります。
これについては法律の規定通りですので、政治による解決を待つしかありません。
■相続によらない財産の譲渡
では、今の法律の枠組みでパートナーに財産を残す方法はないのでしょうか?
パートナーに財産を残したい場合は、以下の方法が考えられます。
1.遺言書による遺贈
2.生前贈与
3.死因贈与
1の場合は相続税(通常の相続の1.2倍)、2~3の場合は贈与税がそれぞれ発生しますので、どれくらいの財産を、いつ譲渡するのか、税理士との相談をお勧めします。
その上で、当相談室にて、1の場合は遺言書作成、2の場合は贈与契約書作成及び不動産については名義変更(所有権移転登記)、3の場合は公正証書による死因贈与契約書作成の上、不動産の場合は生前にその旨の仮登記をすることをお勧めすることになります。
報酬・費用の目安
1.公正証書遺言作成支援
遺言案作成報酬(税抜) 約5万0000円~
公証人費用 約2万8000円~
諸費用(戸籍・登記簿等) 約5000円~
合計(税抜) 約8万7000円~
加算要因
証人の手配 1人につき5400円
公証人が出張する場合・病床執務・遺言の中に祭祀の主宰者の指定を含む
日当・旅費(公証人の基準による)
2.生前贈与
贈与契約書作成(税抜) 約5000円~
不動産の名義変更(所有権移転登記)
報酬(税抜) 約3万0000円~+実費(不動産の固定資産額の2%)
加算要因
不動産の個数、固定資産額
不動産の登記管轄違いにより複数の法務局に申請する場合
3.死因贈与契約書(公正証書)作成
公正証書作成支援(税抜) 約2万0000円
公証人報酬等 約1万7000円~
不動産の仮登記(税抜) 約3万0000円~+実費(不動産の固定資産額の1%)
加算要因
不動産の個数、固定資産額
不動産の登記管轄違いにより複数の法務局に申請する場合
公証人が出張する場合・病床執務・遺言の中に祭祀の主宰者の指定を含む
日当・旅費(公証人の基準による)