Q メールアドレスを持っていません。登記時の届出はどうしたらいいですか?
■メルアドがない場合は届出不要
2025年4月21日より、不動産登記において、所有権の名義人となる方は、メールアドレスの届出が義務付けられることになりました。
その理由や目的については、こちらのページをご覧ください。
Q 不動産の名義変更時にメールアドレスの届出が義務づけされるのですか?
さてところで、メールアドレスをお持ちでない方は、どうしたらいいのでしょう?
例えば95歳の方が亡くなって、相続登記によりその妻である90歳の方が不動産の名義人となる、という状況は十分に考えられます。
90歳の方となると、メールアドレスを持っていない、そもそもインターネット自体の使い方もわからない、ということはありえるでしょう。
結論としては、「メールアドレスをお持ちでない方は届出不要」ということになります。
(令和7年3月3日法務省民二第373号第2部第2の1(3))
■家族のメルアドを代わりに届けるのは×
では登記名義人のご家族のメールアドレスを代わりに届けるのはどうでしょうか?
というのも、今回のメールアドレス届出の目的は、「登記後、転居したにもかかわらず、住所変更登記を忘れた人に連絡し、職権での変更登記するか否か、法務局から意向を尋ねる」ことにあります。
したがって「名義人である高齢の母はメールアドレスを持っていないが、この利点を享受するために、息子のアドレスでその旨を連絡を受けたい」との希望がないとも限りません。
結論としては、「家族のアドレスを代わりに届けるのはNG」ということになります。
なぜなら、通達でメールアドレスは「所有権の登記名義人となる者のみが現に使用するもの」と限定されているからです(令和7年3月3日法務省民二第373号第2部第2の1(3))。
「アドレスを持っていない」という旨を申し出るだけで届出が不要になるあたり、「義務」というには実効性に疑念の余地がないわけではありません。
が、現時点(2025年4月3日)で通達等を元にできる解説は以上となります。
なにぶん、新しく始まる制度であり、今後、運用が変わる可能性もあります。
今後も注視していきたいと考えています。
https://www.youtube.com/watch?v=8TKQ6vZJ-EM