北広島にこやか遺言相続相談室

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Q1-6 長年、私の介護に尽くしてくれた長男の嫁に財産を残すにはどうしたらいいですか?

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■長男の嫁には原則として1円も残せない
義理の父母でありながら、介護に尽くしてくれた長男の嫁に感謝し、その恩に報いるために財産の一部を残したい。
お気持ちは大変わかりますし、良いことだと思うのですが、それには法律の知識や手続が不可欠です。
なぜなら法律上、長男の嫁には相続権がないからです。
当サイトでも「相続の基礎知識」で、このように親の介護に尽くした人の相続分が増える「寄与分」について説明していますが、これはあくまでも介護した人が相続人である場合に限られます。
つまり、心の中で思っているだけで、法律的な手続を何もしなければ、財産は1円も残せない、ということになります。

■方法は3つ考えられる
ではどのようにしたら長男の嫁に財産が渡るようにできるのでしょうか?

方法1 生前贈与をする
生前贈与の良い点は、生きている間に感謝の気持ちを形に表せるところです。
また早い段階で財産を移転させることで、若い世代に有効に活用してもらえる点も挙げられます。
ただし金額が110万円を超える場合は、贈与税が発生しますので、暦年贈与によってそれを避けるなど、税理士のアドバイスが必要です。
また悲しい話ですが、多額の贈与を受けた途端、介護をしなくなってしまう人も稀にいるそうです。

方法2 遺言書を書く
遺言書により、遺産を残すこともできます。
ただし先に述べたように、長男の嫁はあくまでも「他人」扱いなので、相続ではなく遺贈(いぞう)という方法になります。
また相続税が発生する場合もあります。
さらに残す遺産が不動産の場合、相続に比べて遺贈の方が登録免許税が5倍高くなります。
例:900万円の不動産(土地700万円、建物300万円)の所有権移転する場合の登録免許税
相続の場合 900万円×1000分の4=3万6000円
遺贈の場合 900万円×1000分の20=18万円

方法3 養子縁組をする
強い感謝の気持ちがあり、自分の実子同然に思っているのであれば、養子縁組するという方法もあります。
こうすれば、少なくとも実子と同じ法定相続分が発生するからです。
ただしこれを行う場合は、上記の方法1又は2と組み合わせて行うことをお勧めします。
なぜなら、ただ養子縁組をしただけでは、長男の嫁は他の相続人とともに遺産分割協議に参加して、話し合いをしなければならず、揉めるおそれもあるからです。
なお法律上、介護等に尽くした相続人は法定相続分が増える寄与分(きよぶん)という制度がありますが、実際に立証、算定することは難しく、相続争いの火種になることが多いので、注意が必要です。

参考ページ
4.特別受益、寄与分について

また、養子縁組+生前贈与であれば、一定の要件のもと、相続時精算課税を利用してまとまった生前贈与も可能になります。

参考ページ
Q1-4 私の預金を家族名義の口座に入れておけば、相続税の計算に含まれませんよね?

■財産の半分以上を残したい場合は遺留分の問題が
方法1~3いずれの場合も、自分の財産の2分の1※を超える財産を長男の嫁に残したい場合には注意が必要です。
※他の相続人が直系尊属の場合は3分の1
なぜならあなたが亡くなった後、他の相続人から長男の嫁に対して、遺留分減殺請求をされるおそれがあるからです。

参考ページ(遺留分について)
Q4-3 「全ての遺産を長男に相続させる」という遺言書が見つかりました。次男である私は1円ももらえないのですか?

例えば900万円の財産がある男性Aが、長男の嫁Bに600万円を遺贈する(又は相続させる)旨の遺言書を残し、亡くなったとします。
この場合、下記の金額まで、妻C、長男D、次男Eは遺留分を侵害された分について、Bに請求できることになります。
養子縁組をしていない場合 C75万円 D37万5000円 E37万5000円
養子縁組をしている場合  C75万円 D25万円     E25万円

もちろん遺留減殺請求権は権利ですので、行使するかしないかは本人の自由です。
上記の例で言えば、夫婦の仲が悪いなどの事情がない限り、Dは自分の妻Bに対して、遺留分減殺請求する可能性は低いと思います。
また遺留分は生前放棄が可能なので、CDEを説得して、家庭裁判所に遺留分放棄の申立をさせることや、遺言書の付言事項(法的な拘束力はない)に「CDEは遺留分減殺請求をしないでほしい」と書く他、価額弁償に備えて生命保険を利用するなど、一定の対策方法はあります。
いずれにせよ、良かれと思って残した財産のせいで、長男の嫁をトラブルに巻き込むことのないよう、十分な知識が必要となります。
相続争いになって弁護士費用を払うことになると、せっかく財産を残した意味が半減してしまいます。

参考ページ
Q5-4 実際、相続争いになった場合の弁護士費用っていくらくらいですか?

当「札幌にこやか遺言相続相談室」では、このように血の繋がっていない人に遺産を残したいという相談にも対応しています。
また必要に応じて、税理士の紹介もしています。

費用の目安(税別)
1.遺言書作成支援
報酬           約5万0000円~
公証人費用        約2万8000円~   
諸費用(戸籍・登記簿等)   約5000円~
合計           約8万3000円~

加算要因
証人の手配 1人につき5000円(税別)
公証人が出張する場合の日当・旅費(公証人の基準による)
病床執務
遺言の中に祭祀の主宰者の指定を含む

2.生前贈与契約書作成
報酬    5000円~

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