Q 遺言は家族が仲の悪い人がするのものですよね?
■遺言は面倒な手続の回避のために作る
遺言は揉めそうな家族のためにするのもの。
これは偏見です。
もちろん、相続争い防止という目的で作る人もいます。
ですが、遺言の目的は、それだけではないのです。
もう一つの大きな目的があります。
それは「相続手続がスムーズに・簡単にできる」ということです。
次に挙げるのは、遺言1枚あれば回避することができた面倒な手続の例です。
1.夫婦二人と幼い子がいる家族で、夫が亡くなった
1.家庭裁判所に特別代理人選任申立
2.妻が全て相続する旨の遺産分割案提出
3.妻が全て相続しても子に不利益がないことを説明
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2.相続人の中に行方不明者がいる
1.家庭裁判所に不在者財産管理人選任を申立
2.家庭裁判所に予納金30~50万円を収める
3.家庭裁判所の許可を得て、行方不明者の法定相続分を確保した上で遺産分割
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3.相続人の中に認知症の方がいる
1.家庭裁判所に申立て、認知症の方のために成年後見人選任
2.認知症の方の法定相続分を確保した上で遺産分割
3.遺産分割後も、亡くなるまで後見やその報酬は継続
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4.婚姻届を提出しない事実婚
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■たった1枚の遺言が相続人を救う
いくつか例を挙げました。
いずれの例も、仲の悪い家族や、「1円でも多く遺産をもらってやろう」という意地悪な相続人がいなくても起こり得る問題、とおわかりいただけると思います。
このような面倒な手続が、遺言一枚書くだけで回避できるのです。
それだけで自分が亡くなった後、家族を面倒な手続や不安から救うことができるのです。
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