北広島にこやか遺言相続相談室

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Q 亡くなった父は法務局に遺言を保管したと聞いています。どうしたら遺言を見られますか?

■法務局に「遺言書情報証明書の交付請求書」を提出 ・亡くなった方が生前「遺言を法務局に保管した」と言っていた。 ・法務局に照会し、「遺言書保管事実証明書」で確認した。 ・遺品の中に法務局発行の保管証(下記見本参照)を発見した。 画像:法務省ホームページより引用 このような場合には、次の手順で遺言書のコピー(遺言書情報証明書)をもらえます。 1.亡くなった遺言者の出生から死亡までの戸籍を集める 2.相続人全員の住民票と戸籍を集める 3.「遺言書情報証明書の交付請求書」を記入してプリントアウト  法務省ホームペ…

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Q 遺言で「相続させる」としてた不動産を生前に売ったらどうなりますか?

■遺言したがお金が必要になり… 父は生前、「自宅不動産は長男に相続させる」と遺言しました。 しかし遺言後、体が弱り、施設に入るためのまとまったお金が必要だったため、その自宅不動産は1000万円で売却してしまいました。 その後、亡くなるまでに500万円を使ったので、預金として500万円が残っています。 この場合、次のうちどちらになりますか? ①父の思いを汲み取り、長男である私が500万円の預金を相続する ②遺言はあくまでも不動産についてのものなので、遺言がないものとして遺産分割する ■遺言に反する行為は「みな…

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Q 封印された自筆証書遺言を開封すると無効になるのですか?

■自筆証書遺言を開封すると無効? 先日亡くなった夫の部屋を整理していましたら、封筒に入った自筆証書遺言を見つけました。 どんな内容なのだろうと開けましたら、一緒に作業していた息子に怒られました。 「母さん何やってんだ?!封筒に入った遺言を開けたら無効になってしまうよ!」 私はそんなこととはつゆ知らず、とんでもないことをしでかしてしまったようです。 息子の言っていることは本当でしょうか? ■無効にはならない。が… 自筆証書遺言を発見した場合、家庭裁判所で検認を受ける必要があります(民法第1004条第1項)。 …

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Q 遺言により私が全ての遺産を相続することになりましたが、遺留分を請求されたらどうしたらいいのでしょうか?

■改正により遺留分の請求は「お金で払う」が原則に このページは特に断りのない限り、2019年7月1日以降に亡くなった方が、遺言を残していたケースでの説明です。 例えば次のような事例を考えます。 ・夫A、妻B、長男Cの家族で、Aが死亡 ・亡夫Aが「妻Bに全ての遺産を相続させる」と遺言 ・Aの遺産は、自宅不動産1000万円+預貯金600万円=1600万円 この場合、長男Cが侵害された遺留分は、法定相続分2分の1のさらに2分の1、つまり4分の1です(民法1042条1項2号・民法900条1号)。 金額に換算すると4…

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Q 亡夫が遺言で「不動産は妻に相続させる」。相続登記は急がなくていいですよね?

■法改正により、遺言執行は「のんびりできない」ものに 結論から言うと、「のんびりしない方がいい」ということになります。 理由は2019年7月1日施行の法改正により、自分の法定相続分を超える部分については先に登記をした者の「早い者勝ち」と明記されたからです(民法899条の2第1項)。 「えっ?遺言に私の物と書いてあるんだから、それが絶対ではないの?早い者勝ちってどういうこと?」 具体例で説明します。 事例: 夫Aは「不動産を妻Bに相続させる」と残して亡くなりました。 相続人は妻Bと長男Cです。 この場合、BC…

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Q4-1 故人の部屋から自筆証書遺言が見つかりました。どうしたらいいですか?

■封は開けずに遺言書の検認を 自筆証書遺言を見つけた場合、家庭裁判所で「遺言書の検認」という手続が必要です。 この時、封がされていても、開けずに裁判所に持って行ってください。 検認の流れは次の通りです。 1.必要な書類を集める 遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本など、必要な書類を集める これには2週間~1か月ほどかかります 2.家庭裁判所に検認の申立をする 収入印紙800円や切手数千円分が必要です。 申立先は、遺言者の最後の住所を管轄する家庭裁判所です。…

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Q4-2 遺言書があるのかないのかわかりません。どうやって調べたらいいですか?また見つかったら何をしたらいいですか?

■遺言書は2種類 遺言書は大きく分けて、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。 公正証書遺言とは、公証人という公務員に準じる役職の人が、遺言者の依頼に基づいて作成した遺言書、自筆遺言証書は、遺言者が自分で書いた遺言書です。 どちらも遺言書には変わりありませんが、その後の手続が違います。 こちらも参考に Q 遺言書を残したいのですが、公正証書と自筆証書、どちらがいいですか? ■公正証書遺言は公証人役場で検索できる 公正証書遺言とは、公証人という公務員に準じる役職の人が、遺言者の依頼に基づいて作成した遺…

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Q4-3 「全ての遺産を長男に相続させる」という遺言書が見つかりました。次男である私は1円ももらえないのですか?

■「全ての遺産を長男に相続させる」という遺言が見つかった! 先日、父Aが亡くなり、遺言書が見つかりました。 そこには「全ての遺産を長男Cに相続させる」とあり、母Bは納得しているようです。 しかし次男である私(D)だって同じ父の子なのに、全く遺産がないというのが納得いきません。 何とか少しでも遺産をもらう方法はありませんか? ■遺留分を侵害された場合は、侵害額請求ができる 遺言書がある場合には、その内容にに従って相続するのが原則です。 法律で定めた形式に従った遺言であれば、「全ての遺産を長男に相続させる」とい…

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Q4-4 父は生前、自宅不動産を私に譲ると言っていました。これは遺言として有効ですか?

■遺言は書面でないと無効 残念ながら、生前に口頭で「死後、不動産は長男に譲る」「死後、預金は妻に譲る」と意思を伝えていたとしても、それは遺言として法律的な効力は何もありません。 なぜなら遺言書は書面によることとされ、その形式も厳格に決まっているからです。 例えば日付を「平成27年1月吉日」としただけで無効となるくらい、厳しいものです。 これは亡くなってしまってからでは確認のしようがない遺言者の意思を、明確にするためです。 書面ですらそこまで厳格なのに、口頭での遺言が認められるわけがありません。 参考ページ …

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Q4-5 遺言書が2通出てきました。どちらが有効ですか?

■原則として日付の新しいものが有効 遺言書とは、遺産の分け方についての故人の最終意思を尊重するために書かれるものです。 したがって、日付の新しいものが有効ということになります。 では「古い日付の遺言書は読まずにシュレッダーにかけていいか?」と聞かれれば、「内容を読んでみて判断」ということになります。 なぜなら次のようなケースがあるからです。 第1 平成26年3月1日付の遺言書 ・妻Aに自宅不動産と預金のうち4分の1を相続させる ・長男Bに預金のうち4分の2を相続させる ・次男Cに預金のうち4分の1を相続させ…

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Q4-6 遺言書に「長男に不動産を相続させる」とあったが、長男は遺言者より先に亡くなっています。この場合、長男の子である孫が代襲相続するのですか?

■相続すべき人が遺言者より先に亡くなった場合は、その部分につき無効 故人より先に長男が亡くなっている場合、通常であれば代襲相続により長男の子ども(故人から見ると孫)が代襲相続(だいしゅうそうぞく)します。 しかしこのように遺言書に書かれている場合では、代襲相続しません(最判平成23年2月22日)。 なぜでしょう? 当相談室なりに判例を噛み砕いて説明するとこういうことです。 遺言書とは、故人の最終意思を尊重するために書かれるものですが、この遺言書からは「長男に不動産を相続させたい」という意思しか読み取れません…

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Q4-7 遺言書がありますが、それと異なる遺産の分け方はできますか?

■条件付きではあるが、可能 遺言書があれば、その分け方に従うのが原則です(民法第908条)。 しかしそもそも遺言書は通常、残された家族が揉めずに相続を済ませるために書かれるものです。 逆に言えば、遺言書と違う分け方をすることで相続人の揉め事を回避できるなら、故人にとってもそれが本望、という考え方もできます。 よって判例では、一定の条件付きではありますが、遺言書と異なる遺産分割を認めています(さいたま地判平成14年2月7日、東京地判平成13年6月28日、東京高判平成11年2月17日、大阪地方判平成6年11月7…

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Q4-8 遺産分割した後に遺言書の存在が発覚しました。どうすればいいですか?

■原則は遺言書の通りにやり直し 遺言書の存在を知らずに行われた遺産分割は、原則として無効です。 なぜなら遺言書とは、故人が自分の遺産を誰に引き継がせるのか、最終意思を示した書面であり、最大限に尊重されるべきだからです。 ここで問題になるのは、別の項で述べた「遺言書と異なる遺産分割をすることは(条件付きで)可能である」という件との兼ね合いです。 参考ページ Q4-7 遺言書がありますが、それと異なる遺産の分け方はできますか? これを見ると、遺言書と異なる遺産分割が認められるなら、後から遺言書が発見されようと、…

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